エコ de みなとく

イベントレポート

第7回 みなとCSRアイデアソン を開催しました

日付:5月17日

5月17日(火)第7回みなとCSRアイデアソンー社会と企業の「独創」を活性化ーを開催しました。

企業、団体、学生、区民のみなさんなど、いろいろな立場の方が一堂に会して、一緒になって環境問題をはじめとする様々な社会的課題を解決するために、どのようなことができるのかを考えていく「みなとCSRアイデアソン」。

まず初めに毎回設定するテーマについて、企業、団体等からその取り組みの事例を発表していただき、その後参加者のみなさんでディスカッションします。そして、その結果をそれぞれ持ち帰って今後の活動の参考にしていただいたり、ここで出会った方々と何か新しい協働の発展に繋がればと考えています。

コーディネーターは、お馴染みのソーシャル・イノベーション・マガジン「オルタナ」編集長の森摂さん。そして今回のテーマは「繋」です。

事例発表者は、区内に本社を置く最先端のIT企業、ヤフー株式会社 社会貢献推進室長の妹尾 正仁さんと、宮城県石巻市に本部を置き、東北さらには日本の漁業を守るために、若い漁師を育てる活動を行っている一般社団法人フィッシャーマン・ジャパンの長谷川 琢也さん。一見なんの関係も無いように見える両者の「繋がり」についても、お話していただきました。

まず、はじめにヤフー株式会社の妹尾さんからは「ITで繋ぐ」と題して、2011年3月に発生した東日本大震災の復興への支援について、お話をしていただきました。
震災発生直後は、メディア企業の使命として、余震や計画停電など「正しい情報をいち早く伝える」とともに、寄付を募るプラットフォームを提供。そして被災地の生産者・販売者を支援するため「復興デパートメント」というショッピングサイトを立ち上げるなど、インターネットによる本業を通じた復興支援を始められたとのこと。
震災の翌年には、インターネットを超えて宮城県石巻市に社員を2名常駐させ、現地でも復興支援を立ち上げ、2013年からは毎年「ツール・ド・東北」(自転車のイベント)を開催し、多くの方に被災状況を実際に見て何が出来るのかを感じていただく活動を行っているとのことです。
これらの活動は、5年経った今でも自立・継続する取り組みとして地元に溶け込み、今回発表のフィッシャーマン・ジャパンさんへの支援もそのひとつ。「復興デパートメント」においては、当初の100倍の商品取扱数になるなど、着実に実をつけているとのことでした。
当時を振り返ると、「IT企業が被災地に行って何が出来るというのか」との声が社内外から多かったとのことですが、妹尾さんは、「今、はっきり、復興にお役に立てることはたくさんあったと言えると思う。そして被災地の課題に対して成功事例をつくることが、今後、日本の地方全体の課題に対応する仕組みに繋がっていくと考える。インターネットを使ってそれを出来るよう取り組んでいきたい」と、力強く結ばれました。

続いての発表者、一般社団法人フィッシャーマン・ジャパンの事務局長の長谷川さんは、実はヤフーの社員でもあり、ご自身が提案した現地に支社を作ることが会社に認められ、東京から石巻に移住して4年が経つとのことです。
ヤフーさんの発表の中で出た「復興デパートメント」の立ち上げの中で、現地の漁師のみなさんに出会い、その仕事に感動するとともに、被災地の東北に限らず日本全体の漁師が抱えている深刻な課題に直面し、「何とかしたい」との思いで、この団体を立ち上げたとのことです。
長谷川さんの発表は冒頭、本来、豊かな海に囲まれて魚を食べて生きてきた日本人の魚離れが進み、自給率の低下とともに漁師もかつての半数になり、特に20歳代の漁師の数は激減していて、今では漁師の親が自分の子供に「漁師になるな」と言うくらい、日本の漁業は危機的状況に置かれているとのショッキングな現状の説明から始まりました。
そこで、「このまま東北の漁業を無くすわけにはいかない」との決意で、もともと独立心の強い漁師同士、ましてや利害が対立する漁師と水産物販売業者との困難な連携を成し遂げ、浜を超え、職業を超え、若い人を中心に「フィッシャーマン」という新しい職業の強いチームを立ち上げることが出来たとのことでした。
メンバーは当初13人だったのが現在は30人にまでになり、特に流通のプロである水産販売業者が加わったことで販売事業がレールに乗り、大きな商談会にも出て多くの会社に水産物を取り扱ってもらうようにまでなり、今では海外輸出事業にも挑戦しているとのこと。
また、もうひとつの柱である担い手育成事業では、漁師のネガティブなイメージを払拭すべく、プロモーションビデオや広報物を活用したイメージアップ活動に力を入れるとともに、実際の仕事を知ってもらうべく漁師自身が各地へ赴き語る活動や、漁師シェアハウスを作り、若い人に住み込みで漁業体験をしてもらい、気に入ればそのまま漁師になってもらう活動などで、目標では、2024年までにフィッシャーマンを1000人に増やしたいとのことでした。
これらの活動は実を結び始め、今では全国から反響があり、漁師ネットワークも広がっていて、「今後は被災地の東北に限らず日本の漁業を盛り上げていきたい」と、熱く語ってくれました。

質疑応答に続き、第二部はグループディスカッションです。
テーマは、コーディネーターの森さんから、「事例発表にあったとおり、あなたがIT企業の社員だったらどうやって漁業を支援するかを、自由な発想でアイデアを出していただきたい」との提案があり、今日初めて会ったばかりのみなさんがグループに分かれて、様々な立場でそれぞれの視点で意見を出し合い、白熱した議論が繰り広げられました。
そしてグループごとの発表では、「魚食の子どもの食育サイトを充実させる」、「魚のおいしい食べ方のレシピをネット上で情報発信する」などの魚の消費量を上げるためのアイデアや、中には「漁師さんが獲ってきた魚をネット上でライブで消費者が競り落とす『ヤフーせり』をやったら活気が出るはず」といったスケール大きな企画も出るなど、多くのアイデアが出ました。

最後に森さんから、「今回のお話をお聞きして、初めて知ったこともあり、大変有意義な事例発表だと思った。本日ご参加のみなさんと、被災地復興支援について、そして日本の漁業について改めて考える貴重な機会になった」とのコメントがあり、盛況のうちにすべてのプログラムが終了しました。

なお、次回の「みなとCSRアイデアソンVol.8」は、7月19日(火)18:00から開催。テーマは「協」です。テーマに基づき活動事例を発表していただくのは、今話題の社会貢献女子集団CSR48のみなさんです。昨年に続いての登場です。どうぞお楽しみに!

詳細、お申し込みはこちらから⇒

グループディスカッション発表記録はこちら⇒
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