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【終了しました】森とつながる都市をめざして~みなとモデルから学ぶ~

2025年2月26日(水)実施

港区では、国産木材を活用する先進的な仕組みがあることを知っていますか?区内で建てられる一定の条件以上の建物は、一部に国産木材を活用することが推奨され、実際に高輪ゲートウェイ駅や赤坂中学校など、多くの国産木材が使用されています。
この講座では、「みなとモデル二酸化炭素固定認証制度」の事例を元に、山林を所有する自治体と都市が連携し、木材に関わる様々な事業者とつながりながら、都市での国産材活用をより推進していく方法やノウハウについて解説します。国産材活用の大きな課題は、林業、製材、メーカー、消費者など、生産から消費のサプライチェーン上で関係者同士のつながりが弱いことだと言われています。
「みなとモデル」では、国産木材の活用が促進されているだけでなく、自治体や設計事務所、登録事業者などの間を専門の木質化アドバイザーが仲介し、お互いが多くの建築現場を経験する中、関係者間で必要な情報が共有されることで関係性が強化され、スムーズな連携による業務のコストカットや製品の品質向上なども起きています。
多くの事例から、国産木材が活用される仕組みや木質化アドバイザーの役割などを学び、林産地とつながるこれからの都市の在り方について考えます。

日時2025年2月26日(水)18:30~20:00(受付は18:15~)
会場オンライン(Zoomミーティング)
※お申込みいただいた方限定で講座後2週間アーカイブ配信いたします。
対象港区在住・在勤・在学を中心とした中学生以上の方(区外の方も参加できます)
講師白鳥 芳洋氏(港区木質化アドバイザー)
定員20名(先着)
参加費無料

【当日の様子】
レクチャーでは、「みなとモデル二酸化炭素固定認証制度」の概要、木質化アドバイザーの役割、そして木造化と木質化の違いについて解説がありました。また、具体的な木質化の事例として、側溝の鉄製グレーチング(網目の蓋)を樹脂加工した国産材で代替した例や、オフィスビルのOAフロア(オフィスで使う電気やネットのケーブルを床の下に収納できるようにした二重構造の床)に国産スギ材を使用した例が紹介されました。これらの製品は、従来はコスト面などの理由から木材で作られることが少なかったものですが、「みなとモデル」の施行により、建築主や設計事務所に国産木材の活用義務が課されたことで、新たなニーズが生まれ、開発が進められました。このように、みなとモデルは、国産木材を活用した製品の開発や技術革新を促進し、多くの事業者が求める製品を広く市場に届ける契機となっており、みなとモデルが生み出した大きな価値の一つであると説明がありました。また、今後は、木材を活用するだけでなく、都市部の人がより直接的に林業に関われる取組の紹介もありました。都市も、育てた木を活用し、新しい木を育てるという循環の一部となることが大切とのことです。
参加者からは「行政の制度で大型建築に木材が活用され、アドバイザーによる利用促進の仕組みが整っていると知った。」「木材は燃やすより、建物や家具に活用する方が温暖化対策になると理解できた。」「二酸化炭素固定の仕組みや、木造化と木質化の違いを学べた。」などがありました。
講座を通じて、国産木材が活用される仕組みや木質化アドバイザーの役割などを学び、林産地とつながる都市の在り方について考える機会となりました。


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