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【終了しました】服の素材を考える~コットン収穫と綿繰り(わたくり)体験~

2022年10月22日(土)実施

服の素材となるコットンの栽培には、世界でもっとも農薬が使われていると言われており、生産地の土壌や地下水の汚染が問題となっています。また農薬による働く人々の健康被害やそれに伴う労働力不足が、児童労働や貧困の連鎖の原因にもなっています。そのような問題を学んだ後、無農薬コットンを収穫し、綿繰り(わたくり)を体験します。日本におけるコットン栽培の動きについてもお伝えします。私たちが食だけではなく、身に着ける物も自然から恵みを得ていることを感じてみましょう。服の生産の背景にある問題を考え、これからの消費を見つめ直します。

日時
2022年10月22日(土)14:00~16:00(受付は13:45~) 
会場戸板女子短期大学(現地集合・解散)
※詳細は参加案内にてお知らせします。
対象港区在住・在勤・在学を中心とした中学生以上の方
講師植月 友美氏(Enter the E CEO)

【プロフィール】
GEORGE BROWN COLLEGE(ジョージブラウンカレッジ)FASHION MANAGEMENT卒。
18歳からファッション業界に入り古着のバイヤーなど経験。グローバルビジネスを学ぶため渡加、渡米。COLLEGE卒業後 NYで就労を経験、帰国後12年間日本の大手小売企業で店舗運営、バイイング、商品企画、事業開発、マーケティングなど担当。
2009年、杜撰なファッション業界の環境破壊を目の当たりにし、人や地球に迷惑をかけずに洋服を楽しめる社会をつくること決意。人生をかけて、「地球と人が服を楽しめる社会の両立」実現を挑む。
2019年ジャパンソーシャルビジネスサミット 審査員特別賞受賞。
2019年ビジネスで社会問題を解決する集団、株式会社ボーダーレスジャパンにジョイン。
協力豊島株式会社
定員12名(先着)
参加費無料
持ち物・服装長袖、帽子、軍手、タオル、飲み物 ※スカート、サンダルは不可。

【当日の様子】
レクチャーでは、服の素材となるコットン栽培の問題について説明がありました。コットン栽培には、世界で使われている農薬全体の約25%が使用されています。農薬を散布している間は外に出られなかったり、健康被害などにより生産者が年間約3万人も亡くなっているとのことです。コットン栽培は紀元前から行われており、約5,000年間オーガニック栽培されていましたが、戦後服の大量・安価・トレンドの早い移り変わりに対応する生産を求めた結果、現在の大量に農薬を使用する栽培が主流となりました。その他の問題では、児童労働、農薬による生物多様性の喪失や土壌汚染が挙げられました。
そのような問題が日本であまり知られていないのは、国内での生産が、全体の3%以下であることが一因ですが、日本におけるオーガニックコットン栽培プロジェクトも徐々に広がりつつあるとのことです。また、講師の取組の一つとして、売れ数を予測して多く作るという、ファッション業界に根付く「大量生産・大量廃棄」構造を見直す「受注生産」の紹介がありました。
実習では、コットンを収穫し、綿繰り(わたくり)を体験しながら実と種の仕組みを学びました。また、洋綿と和綿の繊維の長さの違いも観察しました。Tシャツ1枚を作るためには、約125~150粒の実が必要とのことです。
講座を通して、コットン栽培やファッション業界の問題点を知ると同時に、実際にコットンに触れることで服の素材と今後の消費について考える機会になりました。


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