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【終了しました】 【全6回】木工初級講座

森の知識と木工技術を学ぶ連続講座(全6回)です。木材が生まれる森林の環境について学び、森づくりに貢献する国産材を日常に取り入れる方法や、課題のおせち箱(お重箱)作りを通して、木材や道具の扱い方の基礎を学びます。木工作業の体験から、国産材の良さを活かした都会と森を結ぶアイデアや、環境デザインについて考える機会となります。習得した木工の技術は国産材を利用する日曜大工に活かせます。
講座開催期間は2024年6月~11月(講座全6回)の予定です。
講座の修了者は※エコプラザ・コミュニティー・メンバー(ECM)に登録できます。

5月16日(木)に実施する説明会を受けた方が優先的に参加となるため、応募数が定員を超えた時点で、受付を締め切ります。

※エコプラザ・コミュニティ・メンバー(ECM)とは …エコプラザの指定講座を修了した方を中心に、学んだ知識を活かし積極的に社会に貢献していただくための会員制の環境ボランティアグループです。

日時各回18:00~20:00(受付は17:45~)

第1回  6月13日(木)制作/コースター レクチャー/森から学び考える環境問題
第2回  7月4日(木)制作/家具リメイク レクチャー/里山から学び考える環境問題
第3回  8月1日(木)制作/おがこ枕 レクチャー/森をつくるデザイン
第4回  9月13日(金)制作/重箱作品制作構想、作図 レクチャー/里山ブランディング
第5回 10月3日(木)制作/作品制作1 レクチャー/里山リノベーション
第6回 11月7日(木)制作/作品制作2
会場港区立エコプラザ
対象港区在住・在勤・在学を中心とした中学生以上の方
(区外の方も参加できます)
講師湊 泰樹氏(建築家/オーガニックキッチン代表)
定員10名(抽選)
参加費5,000円(全6回分)
持ち物エプロン(なくてもかまいません)
服装動きやすい服装

【当日の様子】
第1回 2024年6月13日(木)実施
レクチャーでは「森から学び考える環境問題」をテーマに説明がありました。日本の国土の約3分の2が森林で、その中の約50%は人工林、約40%は天然林、残りは雑木、竹などの森になります。人工林の種類は主に建材として利用するための針葉樹と、農業利用する広葉樹の森の里山林や薪炭林に分かれます。針葉樹の森はスギ、ヒノキが植えられ、里山林や薪炭林はナラ、クヌギなどが多く植えられています。一度人の手が入った森は人が管理を継続する必要があります。人が間伐などの管理をすることで健全な森が維持され、二酸化炭素の吸収率を高めます。人工林を保全するためには、国産材の需要を増やすことが必要だと知りました。    
実習ではノコギリを使いスギの板から手のひらサイズの木片を切り出し、紙ヤスリをかけて完成させるコースター作りをしました。スギの板の特徴とノコギリや紙ヤスリなどの道具の使い方を学び、国産材を加工することでわかる匂いと感触を体験しました。

【当日の様子】
第2回 2024年7月4日(木)実施
人工林についてのレクチャーがありました。人工林はスギ、ヒノキの針葉樹の森とナラ、クヌギなどの落葉樹の森に分かれます。針葉樹は建材として使われ、落葉樹は家具材や薪として使われることが一般的です。管理の仕方も違い、針葉樹は伐採後新しく苗を植えて更新しますが、落葉樹は株元で切り落とした樹木の株から新しい幹や枝を育てて、何回も同じ樹から木材を取ります。
実習ではエコプラザのワーキングルームの机の補修に挑戦しました。傷や汚れを紙ヤスリを使って削り落とす作業では、粗目の紙ヤスリと仕上げ用の細かい目の紙ヤスリを使って、天板がきれいになるまで作業を続けました。次に木を保護する自然素材の塗料を、刷毛を使わずに布を使って塗料を少しづつ塗り込んでいくワイピングという技法で塗装作業をしました。刷毛を使って塗料をきれいに塗り込むには経験と技術がいりますが、ワイピングの作業では、初めてでも少量の塗料できれいに塗り込むことができました。国産材の家具を補修する体験で、木材の性質と補修の技術を学ぶことができました。

【当日の様子】
第3回 2024年8月1日(木)実施
里山の環境をテーマにレクチャーがありました。里山は日本の自然環境を利用し、自然に負荷をかけない持続可能なシステムとして維持されていましたが、近代の産業化の発展により、里山の機能が忘れ去られてしまいました。現代の荒れた里山のある地域を再構築して、持続可能な環境を復興するための、里山リノベーションについて説明がありました。里山のある生活圏は、川から山間部までの自然地形を利用することで、水、食料、エネルギー、建材等の資源を産む循環型の生活環境作りをすることが重要で、里山の維持が自然と生活環境全般と密に関係します。里山の機能としては、管理された健康な樹木があることで雨による表土の流失は抑えられ、洪水や土石流等の大雨による自然災害防止の機能を持っています。また、野生動物と人間の生活圏の境界になるため、安全に共存できる可能性が高まります。
実習は木端や枝を使ったアクセサリーとおが粉の枕作りをしました。アクセサリーは好みのサイズに端材や枝をノコギリで切り、紐を通す穴あけはドリルやキリを使いました。切ったり、穴あけをすることで木の種類による硬さの違いを感じました。仕上げは紙やすりをかけて完成させました。
枕作りでは、建材の加工で出たスギのおが粉を使いました。機械で削ったおが粉は均一のサイズで、コットンの袋に詰めると枕の素材にちょうど良い感じでした。完成した枕はスギの木のよい香りがしました。

【当日の様子】
第4回 2024年9月13日(木)実施
講師が富山県で運営している葡萄農園を例にして、自然共生と地域の活性化を実現する「里山ブランディング」の取組について話がありました。葡萄の無農薬栽培を実践することで、人工的な負荷をかけず地域の生態系の保全ができ、人が果樹栽培と里山の管理を継続することで景観が維持されています。果樹園、里山の枝葉も薪や堆肥として利用し、収穫した葡萄は無農薬栽培として価値が高く、それを原料としたジュースやワイン等の加工品はオーガニック商品として販売されています。里山と共に、自然の資源を利用することで、地域の活性化を目指すのが「里山ブランディング」です。 
実技は制作課題のお重箱の作り方についての説明がありました。国産材で作るお重箱の構造と組み立て方の仕組みを知り、内側の仕切り板でつくる升目のデザインには実用性が必要なことを学びました。

【当日の様子】
第5回 2024年10月3日(木)実施
課題作品の制作が始まりました。参加者は講師が持ってきたお重箱の枠組み完成見本を手にして、組立て後のサイズと質感の確認をしてから、仕切り板を個々のデザインに合わせて、カットする作業に取組みました。材料は国産のスギとサワラで、どちらも材として柔らかいためカットは難しくありませんでしたが、仕切りをデザイン通りに作るためには、サイズや角度を正確に採寸することが重要だとわかりました。講師は板の扱い方とカットについての基本的な説明と注意をしてから、個々のデザインに対しての質問に答え、細かい指導をしました。
難しい技術を必要としないように、講師が部材を用意しているため、基本的に初心者でも組み立てはできますが、国産材を活かしたオリジナルなデザインを表現するためには、技術の向上と材料の特徴を捉えて、丁寧な作業に取り組む姿勢が大切なことを学びました。


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