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【終了しました】自然がめぐる伝統和紙の世界~ロギール・アウテンボーガルト作品展~

展示期間 2025年9月27日(土)~10月25日(土)

四万十川の源流に近い高知県檮原町で和紙の制作を行っているロギール・アウテンボーガルト氏による作品展です。原材料となるコウゾやミツマタの種まきから紙になるまでの全工程を行っているロギール氏。「私が和紙づくりで大切にしているのは自然とのつながりです。美しい山と水、良い原材料がなければ、質の高い和紙はつくれません」と言います。自然素材で作られた作品には力強さと繊細さがあり、また、光による変容を楽しむことができます。
本作品展では、着古したTシャツをリサイクルして制作したコットンペーパーの作品も展示します。また、実際に紙に触れる展示や体験型展示も用意しています。
自然の力から生まれる作品の美しさをお楽しみください。

※10月25日(土)14:00~15:00はロギール氏によるギャラリートーク(先着・参加費無料)を開催いたします。ご参加希望の方は9/27(土)10:00~、下記よりお申込みください。展示は開館中いつでもご覧いただけます。終了しました。

【展示の様子】
日本の和紙の技法と作家の出身地オランダの技法を掛け合わせた作品の展示がありました。紙の歴史は古く、日本の和紙は木の皮、水、植物などの自然素材から作られており、オランダをはじめとした西洋では古着を使って作られていたそうです。本展示では、エコプラザのスタッフから集めた古着を使った作品もありました。また、作家が住んでいる武家屋敷から見つかった襖の下張りの展示もありました。下張りには反故紙が使われており、日本には古くからリユースの文化があったことを学びました。体験展示では、和紙に柿渋やこんにゃく、亜麻仁油を塗りこんで防水になった紙を触りながら違いを確かめました。鑑賞者からは「紙のことが良く知れて、こうして紙ができているのだなと思った。紙のことをもっと身近に大切にしようと思った」「『和紙』に対して触れる機会が基本なかったため驚くことが多かった」などの感想がありました。様々な和紙の素材を体験し、日本や西洋のリユース・リサイクルの試みを知る機会となりました。

【ギャラリートークの様子】
作家の和紙との出会いから現在の活動までの話がありました。和紙作りを始める際に、和紙だけを作ることも選択できましたが、原料から育てて和紙を作ることを選び、現在も続けているそうです。自然と対峙しながら作品を制作することの大切さや、和紙を通して自然と乖離した生活を送っている我々へメッセージを送っていることが伝えられました。参加者からは「日本人にとって、現代の世界にとって、自然にとって、大変大切なことをロギール氏が楽しそうに話して教えて下さった」「使い方やこの道を極めている人の気持ちを聞けた」などの感想がありました。作家から直接、和紙や自然の大切さについて聞く貴重な機会となりました。


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