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【終了しました】オーガニックコットンから考える、サステナブルな暮らし

2021年10月16日(土)実施

服や寝具を買うときに「オーガニックコットン」を見かけたことはありませんか?コットン(綿花)は、成長過程で二酸化炭素を吸収し、酸素を排出するため、ポリエステルなど石油から作られる合成繊維に比べて環境負荷が少ないと言われています。しかしコットンの栽培は世界でもっとも農薬が使われていると言われており、生産地の土壌や地下水の汚染が問題となっています。また農薬による働く人々の健康被害やそれに伴う労働力不足が、児童労働や貧困の連鎖の原因にもなっています。オーガニックコットンは、化学肥料や農薬に頼らずに栽培されたコットンです。この講座では、世界の綿花栽培の現状を知り、オーガニックコットンによる持続可能な社会への取組について学びます。また、和綿と呼ばれる日本のコットンについてもお話します。環境と健康に配慮した製品の生産と消費について、講義とグループディスカッションを交えて学びます。

日時2021年10月16日(土)10:30~12:00(受付は10:15~)
会場港区立エコプラザ
対象港区在住・在勤・在学の方を中心にどなたでも(小学生は保護者同伴)
講師河内 桂太氏(NPO法人日本オーガニックコットン流通機構 理事)
定員20名(先着)
参加費無料
持ち物筆記用具

【当日の様子】
コットンは、合成繊維に比べて5分の1のエネルギーで製造することができ、環境負荷の少ない繊維と言われています。しかし、世界で作られる農作物のうち、コットンの占める割合は2.3%しかないにも関わらず、世界中で使用される農薬の10%、殺虫剤の25%が使用されています。世界保健機構(WHO)によると、これらの農薬の薬害事故により、毎年2万人もの生産者が亡くなっているとのことです。さらに、土壌への負担や、生態系への影響が大きな問題となっていると説明がありました。
オーガニックコットンは、栽培時に化学農薬や機械をほとんど使わないため、二酸化炭素の排出が通常のコットンに比べ、46%少ないという報告があるそうです。講師が所属する日本オーガニックコットン流通機構は、スイスのREMEI社の「bioReプロジェクト」を支援しています。このプロジェクトでは、コットン農家への有機栽培の指導をするだけでなく、地域のトイレや井戸の整備、学校の設立など、生産者の生活基盤をサポートし、持続可能なコットン栽培を目指しています。また、日本国内でも「和綿」と呼ばれる国産の綿花が栽培されています。東北地方では、津波により稲作などが困難になった地域で、綿花を栽培するプロジェクトが行われているそうです。
講座を通して、商品の生産過程や背景について考えることの重要性と、消費者としての責任について学びました。


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