【終了しました】伝統芸能と自然の関わり~絶滅危惧種「イヌワシ」を例に~
2019年12月11日(水)実施
能や狂言、歌舞伎といった日本の伝統芸能の舞台道具には植物や動物を材料にした物が多くあり、伝統芸能と自然は深くつながっています。しかし、道具に使われている野生動物が、絶滅危惧種に指定されるなどして、道具の修復や継承が難しくなってきています。その一つに、能のイヌワシの羽根を使った「羽団扇」があります。
本講座では、伝統芸能の道具を通じてさまざまな団体が連携し、自然と文化を守り継承する活動が行われていることを学びます。
多摩動物公園におけるイヌワシの保護・繁殖の歴史と取組や、動物園の役割についてもお伝えします。
異なる視点から見た伝統芸能と自然との関わりを知り、生物多様性の大切さについて考えてみませんか。
日時 | 2019年12月11日(水)18:30~20:00(受付は18:15~) |
会場 | 港区立エコプラザ |
対象 | 港区在住・在勤・在学の方を中心にどなたでも |
講師 | 田村 民子氏(伝統芸能の道具ラボ主宰/ライター) 【プロフィール】 1969年広島市生まれ。伝統芸能の道具に関連した執筆、調査、復元、研究を行う。研究テーマは、日本近現代の芸能道具実態史。2009年より能楽、歌舞伎などの「伝統芸能の道具」に携わる裏方や職人を支援する草の根活動「伝統芸能の道具ラボ」をはじめる。東京新聞に「お道具箱 万華鏡」を連載中(毎月第四金曜)。 中島 亜美氏(公益財団法人東京動物園協会 多摩動物公園 飼育展示課主事) 【プロフィール】 1985年東京都生まれ。東京農工大学大学院連合農学研究科修了。博士(農学)。学生時代は野生動物保護学研究室に所属し、ツキノワグマを研究。 2013年より(公財)東京動物園協会 多摩動物公園にて飼育員として勤務。 |
定員 | 30名(先着) |
参加費 | 無料 |
協力 | 公益財団法人日本自然保護協会(NACS-J) |
【当日の様子】
日本の伝統芸能に登場する植物や動物が紹介され、現代よりも自然と身近な繋がりがあったことを学びました。昔は身近であった生きものが絶滅危惧種に指定されるなど、道具の素材としての入手が困難になっています。人工物では代用がきかない物も多く、道具を修復・継承していくために伝統芸能の道具ラボや、多摩動物公園などさまざまな団体が連携していることを知りました。
動物園は動物の保護や繁殖の他に、野生動物がおかれている現状を伝え、私たちが、多様な動物がいることの大切さや環境問題を考えるきっかけとなる役割を担っています。絶滅危惧種のイヌワシを通して、伝統芸能と動物園という異なる視点の取組を学びました。環境保全は、生物多様性を守るだけではなく、文化を守ることにもつながると学びました。