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【終了しました】木からつくられるお酒の話

2024年1月20日(土)実施

日本では古くから、家や道具、紙などの原材料として木を使用してきました。しかし次第にプラスチック製品の普及や外国の安価な木材輸入の増加により、国産材の使用量は大幅に減少しました。その結果手入れされず放置された森林では、様々な問題が起きています。そのような状況の中、世界初の、木の幹からお酒をつくる技術が開発され、販売実現に向けて準備が進められています。その製造過程や試作中のエピソード、最新情報について解説します。また、希望の方にはそれぞれに違う風味を感じられる、スギ、白樺、ミズナラ、クロモジの4種類の「木のお酒」の試飲があります。
国産材利用の新しい可能性について学び、森林循環の重要性について考えます。お酒としての森林活用がもたらす、樹の新たな魅力を感じましょう。

※試飲ご希望の方は、試飲アンケート調査へのご協力をお願いいたします。尚、試飲は20歳以上の飲酒経験のある方を対象とします。妊娠中や授乳中の方はご遠慮ください。

1月13日(土)~1月28日(日)の期間に関連展示を行います。詳細はこちらをご覧ください。

日時2024年1月20日(土)16:00~18:00(受付は15:45~)
会場港区立エコプラザ
対象港区在住・在勤・在学を中心とした20歳以上の方(区外の方も参加できます)
講師大塚 祐一郎氏(森林総合研究所 森林資源化学研究領域 主任研究員)
定員20名(先着)
参加費無料
持ち物筆記用具、年齢が確認できる運転免許証や健康保険証、マイナンバーカードのいずれか

【当日の様子】
レクチャーでは、日本の森林の現状、木材の構造、木からお酒をつくる行程の解説がありました。ペーパーレス化や安価な外国材の輸入増加により、日本の森林資源は利用されずにそのまま森林に放置されています。木の活用が少ないと森林は飽和し、成長不足になります。そのため、日本の森林資源の有効な活用技術開発が望まれているとのことです。これまで木材を薬剤処理して製造したアルコールをつくる技術はありましたが、製造過程で毒物や劇物を使用するため燃料としての利用に限定されていました。講師が研究開発したお酒は、熱処理や薬剤処理を使用しない技術でつくられます。また、木の一部の風味を使用するジンなどとは異なり、木のすべての成分を含むもので、木そのものが持ち、且つ樹種により全く異なる風味を感じることができます。樹齢200年以上の木などのお酒は、全ての年の年輪に含まれる成分がアルコールとなり、飲んだ人の体に取り込まれて一部同化するという、高付加価値になると説明がありました。更に、発酵時に発生する「発酵かす」には木材由来のポリフェノール(リグニン)が豊富に含まれ、それを工業素材として利用する研究開発も進められているとのことです。
試飲では、スギ、白樺、ミズナラ、クロモジのお酒それぞれの香りや味を確かめ、感想と点数をアンケートで回答しました。
木の新しい活用方法や魅力を知り、国産材の需要拡大が森林放置の問題の解決につながることを学びました。


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