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【終了しました】「積み木」×「アプリ」でつなぐ森と人~元SE発案の木材玩具『KUMINO』の事例を通じて~
2024年1月23日(火)実施
「森とつながろう」という言葉をよく見かけますが、実際に「森とつながる」とはどういうことをいうのでしょうか?それぞれの森には固有の土地があり、土地に根差した様々な樹種の木が育っています。「森とつながる」とは、その固有の土地の特徴や育っている樹種を知り、そこで働く人や住まう人たち、森と共に育まれてきた歴史や文化を知っていくことなのではないでしょうか。そのような具体的な森と人のつながりを目指している取組の一つが『KUMINO』という木材玩具です。『KUMINO』は、日本の木造建築をヒントに考案されたユニークな積み木です。全国の様々な森の地域材で作られ、原産地名や使われている樹種名が積み木一つひとつに刻印されています。また刻印された原産地名を専用アプリで読み取ると、木の種類ごとの特徴や、原産地の情報(歴史、文化、観光やイベント情報など)を知ることができます。この講座では、株式会社KUMINOの井上慎也さんを講師に迎え、『KUMINO』がどのように生まれ、どのように森と人をつなげてきたのか、その取組を解説します。また、専用アプリのデモを実施し、積み木の刻印を読み取る体験も行います。『KUMINO』の事例を通じて、森と人がつながり、森を守っていくために必要なことについて考えます。
日時 | 2024年1月23日(火)18:30~20:00(受付は18:15~) |
会場 | オンライン(Zoom) |
対象 | 港区在住・在勤・在学を中心とした中学生以上の方(区外の方も参加できます) |
講師 | 井上 慎也氏(株式会社KUMINO 代表取締役) 【プロフィール】 京都市出身、滋賀県立大学環境科学部にて森林生態学に出会う。里山保全活動への参加や、奥山の植生調査を行う中で、森林と関わる人の暮らしに強い関心を持つ。2004年滋賀県立大学環境科学研究科修士課程修了後、民間企業のシステムエンジニアとして、事業の課題を改善するシステムづくりに従事。2015年、森に関わる仕事に移る為に退職、滋賀県立高等技術専門校にて木造建築を学ぶ。在校中に独創的なつみ木を発明、KUMINO(クミノ)と名付け、2016年に起業。2021年2月、箕川未来協議会を立ち上げ、地域を未来につなぐ事業の創出に取り組む。2023年5月に株式会社KUMINOを設立。 |
定員 | 30名(先着) |
参加費 | 無料 |
【当日の様子】
現代の森林が活用されない理由について説明がありました。以前は、薪にしたり、家の材に活用するなど、人々の暮らしに不可欠だったため、森林を活用することは当たり前のことでした。しかし、都市化が進み、生活に必要なインフラが整ったことで、現代は森林が無くても生活できる環境になりました。森林活用の必要性が現代の人の暮らしに無いため、森林活用が進まないとのことです。解決策としては、生活の必要性以外の価値を見出し発信していくことです。例えば、玩具をプラスチックではなく無垢の木材で作ることで、子どもたちに木の質感やぬくもりの心地よさにふれられる体験を価値として提供することができます。また、地域の人と森林活用による共同作業を通じて地域コミュニティを生み出すことも価値として発信できるとのことです。
また、『KUMINO』にある原産地名や樹種の刻印の機能について説明がありました。森林活用は、多くの人に森に愛着を持ち、木を使いたいと思ってもらうことが大切です。そのためには、多く人が木の活用について話題にする仕組みが必要です。積み木の刻印をきっかけにすることで、遊んでくれた人たちに原産地や樹種、森林活用の話題を提供しやすくなる側面があります。森と人をつなげていくには、環境にいいという話だけでなく、他の人にも話したくなるストーリーを作り、人から人へ話題が連鎖していく仕組みを作ることが大切であると説明がありました。
講座を通じて、『KUMINO』の事例から、森と人をつなげる仕組みや大切なポイントについて考える機会となりました。