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【終了しました】「山守」という仕事~木を切るだけじゃない林業の話~

2023年1月26日(木)実施

「山守」という役割を知っていますか?林業は、木を切る林業家だけで成り立っているわけではありません。山の所有者との交渉、樹種の確認や伐採が可能かを判断するための事前調査、木材搬出のための道路の計画、新たな木を育てるための植林などの仕事があります。これらの山の計画策定や管理を行うのが山守という役割です。この講座では、株式会社百森の室岡郁馬さんを講師に迎え、山守の役割を中心に、林業全体のリアルな仕事について解説します。補助金による林業経営の現状や講師が考える課題、補助金から自立する取組、都市に暮らす私たちが出来ることについてもお話しします。林業の現状や課題を知り、豊かな森を守るために出来ることについて考えてみませんか?

日時2023年1月26日(木)17:30~19:30(受付は17:15~)
会場オンライン(Zoom)
対象港区在住・在勤・在学を中心とした中学生以上の方(区外の方も参加できます)
講師室岡 郁馬氏(株式会社百森 山守)
定員30名(先着)
参加費無料

【当日の様子】
まず最初に、山守の仕事について解説がありました。山守の仕事は主に「山主との連絡・交渉」「施業(森林に対する何らかの人為的働きかけ)の調査設計」「施業の発注および現場監督」の3つです。木を切るためには、まず山を所有している山主と交渉し、伐採の許可をもらう必要があります。交渉後、作業範囲内にある木の太さ、本数の調査や、伐採の対象となる「スギ」「ヒノキ」のある場所の特定を行い、具体的な伐採方法等を検討します。全体の作業計画が完成したところで、実際に木を切る事業者に作業の発注を行います。山守は、広い視野を持ち、山づくりや木材生産について柔軟な対応ができることが大切とのことです。
後半は、林業の現状と都市に暮らす私たちが出来ることについて解説がありました。林業は、土地を整備し植林するところから始まります。植え付け後、20年以降から間伐が始まり、60年経って伐採に至ります。しかし、木を売って得られる収入よりも経費の方が多いため、林業は補助金を活用せざるをえない状況です。継続的な森林の保全を実現するためには、補助金だけに頼らない自立した運営が不可欠です。そのためには、木を木材として売るだけの従来のスタイルから、教育、娯楽、医療・福祉、観光などの他分野との協働による新しい価値を生み出していく「林業サービス産業」を充実させていくことが大切であると説明がありました。
最後に、都市に住みながら林業や森林保全に関わる方法として、林産地が発信してる通販サイトからの購入を通じて地域経済を応援する方法や、テレワークを活用し地方の林業関係の会社に所属する方法などの紹介がありました。
講座を通して、林業の現状や課題を知り、豊かな森を守るために出来ることについて考えるきっかけとなりました。


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