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【終了しました】引退馬と農業

2022年12月7日(水)実施

競馬は華やかなレースで私たちを楽しませてくれますが、そこで活躍できる馬は競走馬全体のうちのほんの一握りです。毎年何千頭もの馬がレースのために産み出されている一方、活躍できなかった馬は、数年で引退を余儀なくされています。さらに、レースを引退した馬はセカンドキャリアとして乗用馬となることがありますが、全ての引退馬が乗馬用として適正がある訳ではなく、乗馬にも、競技馬にも適性が無かった馬のそれ以降のキャリアは把握されていません。結果的に、引退馬はその半数以上が行方がわからなくなっているという現状があります。
この講座では、引退馬を引き取り、その馬糞を堆肥としてマッシュルーム栽培を行っている講師から、引退馬の現状と、講師が実践している循環型農業について学びます。講師が運営するジオファーム八幡平では、隣接する温泉旅館の温泉熱を利用したハウス栽培を行っていたり、馬糞を堆肥とする伝統的な栽培方法で農業を行っています。馬糞を農業で利用する取組は、引退馬が乗用馬となる以外のキャリアとして注目されています。また、馬たちの飼料は地域で収穫された牧草を使用し、栽培後のマッシュルーム堆肥を地域で使うなど、有機資源の循環にも取組んでいます。
循環型農業を行う講師の取組について知り、自然や動物と共に行う農業や、馬と私たちの関係について考えてみませんか。

※参加者には粗品(マッシュルームを予定)を差し上げます。

日時2022年12月7日(水)18:30~20:00(受付は18:15~)
会場港区立エコプラザ
対象港区在住・在勤・在学を中心とした中学生以上の方
(区外の方も参加できます)
講師船橋 慶延氏(ジオファーム八幡平 代表)
定員30名(先着)
参加費無料
持ち物筆記用具

【当日の様子】
まず最初に、講師の取組の紹介がありました。講師は競馬を引退した競走馬(引退馬)の馬糞で堆肥を商品化することで、農業を引退馬の次のキャリアにする仕組み作りに取組んでいます。さらに馬糞堆肥を使用して栽培したマッシュルームを全国販売することで、馬を主軸として都市と地方を結ぶことを目指しています。次に引退馬の現状の説明がありました。日本は世界でも有数の競馬大国である一方、引退後の競走馬のキャリアが現状整備されていません。日本を含め世界でも、引退競走馬へのアフターケアの動きが広がっています。次にマッシュルームの栽培方法の説明がありました。馬を飼育する馬房の中に敷き詰めた藁のうち、馬糞で汚れた部分を原料として堆肥を作ります。その堆肥に鶏糞と石膏を混ぜて発酵させることで、マッシュルームの培地(細胞や微生物が成長しやすいよう人工的に作られた環境)が作られます。この藁や鶏糞は、地域で発生したものを使用しています。また栽培が終わった後の堆肥は地域の農家に譲り、資源を循環させているとのことです。
講座を通して、馬と共に行う有機資源を循環させる農業について学び、馬と人間の関係について考えることができました。


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