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【終了しました】昆虫食のこれから

2023年7月15日(土)実施

昆虫食は、肉食と比べて水や飼料の必要量が少なく環境への負荷が少ないと言われ、今後の食料の一つとして注目されています。スーパーなどでもコオロギパウダーを使用したお菓子などを目にするようになりました。この講座では、日本でも関心が高まり続けている昆虫食について、国産のコオロギ養殖の拡がり、コオロギ以外の流通アイテムの開発についてなどの最新情報をお伝えします。また、環境負荷の点でマイナス面はないのかにも触れます。これからの食の選択と地球環境の関係について考えましょう。講師お勧めの昆虫食メニュー紹介もあります。

※希望者には昆虫おやつの試食があります。

日時2023年7月15日(土)14:00~16:00(受付は13:45~) 
会場港区立エコプラザ
対象港区在住・在勤・在学を中心とした小学4年生以上の方(区外の方も参加できます)
講師内山 昭一氏(昆虫料理研究家/NPO法人昆虫食普及ネットワーク 理事長)

【プロフィール】
1950年長野市生まれ。昆虫の味や食感、栄養をはじめ、あらゆる角度から食材としての可能性を追究。2013年5月、国連食糧農業機関(FAO)が昆虫食を推奨する報告を発表以降、昆虫料理研究の活動の幅を大きく広げる。著書に『昆虫食入門』(平凡社新書)、『昆虫は美味い!』(新潮新書)、『食の常識革命! 昆虫を食べてわかったこと』(サイゾー)ほか。東京都日野市在住。
定員30名(先着)
参加費無料
持ち物筆記用具

【当日の様子】
現在世界人口は約80億人ですが、2050年には約90億人に増加すると言われています。そのため、食料が更に必要となりますが、牛や豚、鶏などの家畜を育てるためには多くの土地や飼料、水などが必要となることに加え、二酸化炭素の排出量も多いなどの問題があります。逆に昆虫食は、肉食と比べて水や飼料の必要量が少なく環境への負荷が少ないと言われています。また、平均してタンパク質が鶏卵と比べても同等程度と、栄養価の面でも優れていると説明がありました。現在、世界では約1,900種の昆虫が食べられているそうです。日本でも昆虫食への関心や取組が進み、2020年に農林水産省が主導して立ち上げたフードテック官民協議会ではコオロギ養殖ガイドラインの作成も行われています。飼育の自動化・機械化により市場拡大を目指す取組、食べたものにより味が変わる特徴を活かし、各地方の特産品を餌にして育てる方法など、国産のコオロギ飼育の動きや、コオロギの他にも蚕やマゴット(イエバエ幼虫)の養殖も行われていることを学びました。昆虫飼育の課題として、コオロギは飼育温度が25℃から35℃と高く、鹿児島以南を除いて冬季は暖房が必要であることや、主な餌である魚粉が、漁獲量の減少で高騰すると同時に大量に使用するのは環境負荷が高くなること、穀物は人間や家畜の食べ物と競合する点が挙げられました。餌については、食品ロス由来の餌100%で飼育する取組や、米ぬかを原料とした飼料の研究がされているとのことです。
講座の後半は、様々な昆虫の味の解説と、市販されている昆虫おやつの試食を行いました。
昆虫食が注目されている理由や利点、問題点の両方を知り、食の多様性やこれからの食の選択について考える機会になりました。


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