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【終了しました】紅花染めを体験しよう!

2023年12月10日(日)実施

日本で特別な色とされてきた「あか」の染料や口紅の原料として文化を支えてきた紅花を使い、木綿のハンカチを染めます。輪ゴムで好きな箇所を絞ることにより、一人一人異なる印象に仕上がります。
レクチャーでは、現在日本で唯一の産地である山形の生産者と県のご担当者から、紅花の生態を始め、多様な生物と共生する農業についてや、紅花染めがなぜ環境負荷が少ないかを学びます。また、布など以外への染色についてや、今後の展望についても触れます。
紅花の美しい色を感じ、自然由来のものを身の回りの物に取り入れることの大切さや豊かさを考えます。

日時2023年12月10日(日)10:30~12:30(受付は10:15~)
会場港区立エコプラザ
対象港区在住・在勤・在学の小学生以上の方(小学3年生以下は保護者同伴)
講師長瀬 正美氏(出羽もがみべにばなの会 代表)

【プロフィール】
1952年山形市生まれ。地元の高校を卒業後、東京農業大学に進む。在学中、ネパール・インド・アフガニスタン等アジア各地を歩く。現在、トマト、苺、おかひじき、紅花の栽培等を息子夫婦と家族4人で行っている。2000年から、地元の小学校で食育学習の手伝いをしている。

佐藤 貴裕氏(山形県農林水産部 野菜花き振興主査)
定員15名(抽選)
参加費500円
持ち物筆記用具、手をふくためのタオル、持ち帰り用の濡れてもよい袋(ハンカチのサイズ…45㎝×45㎝)、汚れてもよい服装、手が汚れるのを避けたい方はビニール手袋

【当日の様子】
レクチャーでは、紅花の栽培時期や染めるための「紅もち」作りについて説明がありました。3月頃に種をまき、7月に開花した後花を摘んで発酵させたものを丸めてせんべい状にし、天日干しすることで染めるための「紅もち」が完成します。紅花栽培は、近隣の養鶏場から出る鶏糞など、有機物を原料にした肥料を使い薬剤をほとんど使用せず行っているため、多様な昆虫が生息しています。訪花昆虫による受粉で種子量を増やすと同時に、昆虫にとっては咲く花が少ない7月の貴重な蜜源になっているそうです。また、紅花染めの歴史についても学びました。紅花には黄色と赤の色素が含まれますが、赤はわずか1%と非常に貴重であり、天皇や貴族などの衣装や伊勢神宮の伝統的な装束の紅色として使われ、日本の伝統文化の成立に大きく貢献しました。その他にも口紅や食品の色付けなど様々な用途で親しまれています。
ワークショップでは、3人グループで協力して紅もちをもんで赤の色素を取り出し、木綿のハンカチを染めました。紅花は50度程度で色素が壊れるため、他の大半の植物染めと違い、熱を使わず水で染めることができます。また、現在は代用の炭酸カリウムを使うことがほとんどですが、赤の色素を抽出するために稲わらを燃やして作った藁灰(わらばい)、染めた色を定着させる色止めには梅を燻製した烏梅(うばい)や代用の酢などを使い、自然の物だけで染めることができ環境負荷が非常に少ないことが特長です。
紅花栽培がもたらす生物多様性の大切さを学び、自然素材のものだけで行う紅花染めの美しい色を体感する機会になりました。


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