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【終了しました】ごみを活かしてわくわくする社会をつくろう

2024年9月11日(木)実施
今の消費社会は、モノを処分・再利用することより、モノを生み出すことに人もお金も知識も集まっています。もし、モノの循環を人の身体に例え、モノを生み出す役割が動脈で、処分する役割が「静脈」だとすると、静脈の状態がとても悪く、身体全体に血が巡らない不健康な身体と同じです。静脈=モノを処分・再利用するところに人やお金や知識を今よりもたくさん集めることができたら、いきいきとした社会を作ることができるのではないでしょうか?
この講座では、「ごみを活かしてわくわくする社会をつくろう」をコンセプトに活動するごみの学校代表の寺井正幸氏を講師に迎え、ユニークなアイデアでごみの分別やリサイクルを促す事例を学び、ごみをポジティブに捉え、社会で楽しく活用していく方法を学びます。ごみの歴史、ごみ処理やリサイクルの現状、ユニークなアイデアを生み出すコツなども紹介します。モノを再利用する世界が楽しくクリエイティブなものになれば、自然と人やお金や知識が集まってくるでしょう。ごみを悪者にせず、ごみから学び、ごみを活かしながら、わくわくする社会をつくる方法を一緒に考えてみませんか?

日時2024年9月11日(水)18:30~20:00(受付は18:15~)
会場オンライン(Zoomミーティング)
※お申込みいただいた方限定で講座後2週間アーカイブ配信いたします。
対象港区在住・在勤・在学を中心とした中学生以上の方
(区外の方も参加できます)
講師寺井 正幸氏(ごみの学校 代表)

【プロフィール】
1990年亀岡市出身 2013年兵庫県立大学環境人間学部卒業後、株式会社浜田に入社し、企業向けに産業廃棄物処理の提案やセミナーなどを行う。ビジネスマン・主婦・子供まででみんながごみのことを正しく知れる場を提供したいと考え「ごみの学校」を立ち上げ、2年で合計4000名にごみに関する講座を実施。facebookグループ「ごみの学校」でも2000名超えのコミュニティを運営している。
定員30名(先着)
参加費無料

【当日の様子】
まず最初に、ごみの現状について説明がありました。日本のごみ処理は世界各国と比較して焼却の割合が高いとのことです。その理由は2つあり、1つは感染症対策、もう1つは国土が狭いためにごみを埋める場所が限られていることから、焼却して総量を減らす目的があると説明がありました。また、1990年~2000年代に制定された各種リサイクル法も、当初の目的はごみの量を減らすための対策として制定されています。リサイクル法の制定がターニングポイントとなり、様々なものが資源として回収されリサイクルが進みます。しかし、2007年以降、リサイクル率は20%から変化がなく、現状のリサイクルの仕組みではここが限界と言われていると説明がありました。廃棄物処理業者や自治体だけがごみの課題を抱え込むのではなく、すべての企業や国、市民が関わり社会や経済の在り方を自体を変えていくことが大切とのことです。
最後に、解決に向けた新しい経済の考え方としてサーキュラーエコノミーについて解説がありました。サーキュラーエコノミーは、資源が限られている中で、全事業者・自治体・市民が、最小限の資源で最大限の価値を生むには?を考える社会・経済の仕組みのことです。事例として、神戸市と企業が連携し、洗剤やシャンプーなどの使用済み詰め替えパックを分別回収し、再び詰め替えパックに戻す水平リサイクルの取組や、熊本県にある黒川温泉で、旅館から出る生ごみをコンポストで堆肥化し、近隣農家で堆肥を使ってもらい、出来た野菜を旅館で使う地域循環の仕組みなどの紹介がありました。多くの人や団体がつながり、全員の集合知で課題に取組み、新しい循環を創ることが大切とのことです。
講座を通じて、ごみとリサイクルの現状を知り、貴重な資源を大切にするための方法について考える機会となりました。


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