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【終了しました】ゼロ・ウェイストの実践について考える

2023年2月19日(日)実施

ゼロ・ウェイストとは、ゴミを焼却したり埋め立てせず、堆肥化、再生可能エネルギーの利用、リサイクルなどによって、資源の浪費、無駄、ゴミの排出をなくす活動のことです。日本では、「ゼロ・ウェイスト宣言」がなされている自治体もあります。また、量り売りで商品を提供する小売店や個人での実践なども増え、注目を集めています。
この講座では、「ゼロ・ウェイスト・ホーム」の翻訳者であり、自身もゼロ・ウェイストを取り入れた生活をされている服部雄一郎さん、港区西麻布でゼロ・ウェイストを提案する青果店マーケット・ラゴイスを営む陰山宜子さんをパネリストに迎え、ゼロ・ウェイストの実践について考えます。
異なるフィールドでゼロ・ウェイストに携わる講師から話を聞くことで、私たちの生活におけるゴミの現状を見つめ直します。「ゼロ・ウェイスト、聞いたことあるけど…?」「猛暑続き、私たちにできることはないの?」など日頃、関心を持っているけれども、どこから手を付けたらいいのか…ときっかけに悩んでいる方々もぜひご参加ください。私たちができることについて身近なことから考えていきましょう。

日時2023年2月19日(日)14:00~16:00(受付は13:45~)
会場オンライン(Zoom)
対象港区在住・在勤・在学を中心とした中学生以上の方(区外の方も参加できます)
講師服部 雄一郎氏(翻訳家/文筆家)
 撮影:宇城義ニ
【プロフィール】
『サステイナブルに暮らしたい』『ゼロ・ウェイスト・ホーム』『プラスチック・フリー生活』ほか

陰山 宜子氏(MARKET LAGOICE代表)

【プロフィール】
2022年3月にゼロウェイストなライフスタイルを提案する青果店「MARKET LAGOICE」をオープン。より多くの人と一緒に環境問題に取り組みたい、という思いから身近な八百屋を今までにない形で発信。
定員50名(先着)
参加費無料

【当日の様子】
まず最初に、一人目の登壇者である服部さんから現在のゴミの現状と自らが実践しているゼロ・ウェイストについて話がありました。現在、日本のゴミのおよそ80%が焼却処理をされており、燃えるゴミの80%は資源可能である、と説明がありました。続いて、ゼロ・ウェイストに役立つ実践について紹介がありました。ゴミを減らすことは大変なことと思いがちですが、少し意識を変えたり、日用品を環境配慮された製品に買い替えるだけで簡単にゴミを減らすことができるそうです。
次に、二人目の登壇者である陰山さんから、港区でゼロ・ウェイストを目指した青果店を経営している話がありました。開業したばかりで試行錯誤もあり、例えば、葉物はパッケージしないと鮮度が保てない、パッケージ化することでお客さんが手に取りやすく、売り上げが上がりロスが減るなど、パッケージと食品ロスの狭間で葛藤があるそうです。また、市場でゼロ・ウェイストの取組に賛同する業者の方と繋がり、パッケージのない商品を仕入れることで市場からゼロ・ウェイストを広めていきたい、という思いを持っている、という話がありました。
最後に、「地域性」や「コミュニティ」という視点でゼロ・ウェイストについてディスカッションをしました。地方で暮らす服部さんは地元のおすそ分け文化や個人商店での買い物がゼロ・ウェイストに役立っているそうです。ただ、環境意識が都心ほど高まっていないことから、パッケージ化にチェンジしてしまう動きもあるそうです。都心で経営を行っている陰山さんの青果店では、地域柄、忙しく働く方や飲食店の方が多く、利便性を重視してパッケージのものを好まれるそうです。その話を受けて、服部さんから”個人のライフバランスや諸事情もあるため、お店も個人も「一つの完成形」を目指すのではなく、個人ができることから少しずつ実践し、ゼロ・ウェイストを目指した店舗が増えて、そういった店からゴミに対する意識を広めていくことが大切なのでは”、という話がありました。陰山さんの店では、外国の方や親子、陰山さんと会話することを楽しみに来られる地元の高齢者の方など様々な方がいらっしゃり、そういったコミュニティの中でゼロ・ウェイストが広まっていくことの可能性についても考えることができました。
実践者と売り手の視点からのゼロ・ウェイストを学び、自身のゴミや消費に対する意識を見直すきっかけとなりました。


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