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【終了しました】映画『杜人(もりびと)~環境再生医 矢野智徳の挑戦』上映会

2023年12月17日(日)実施

人間よりも自然に従うという理念を持つ、造園家で環境再生医の矢野智徳氏を追ったドキュメンタリー映画『杜人(もりびと) 環境再生医 矢野智徳の挑戦』の上映会です。近年、全国各地で山地の土砂災害や河川の氾濫などが頻発し、自然の驚異を感じる機会が増えています。これらの災害は、気候変動による天候の影響だけでなく、自然に逆らった土地利用による地面の脆弱化が原因とも言われています。映画では、屋久島をはじめ、全国で傷んだ大地を、地球全体を巡る大気と水の循環、矢野氏が“大地の呼吸”と呼ぶ生態系全体に関わる自然の機能を活かしながら再生していく姿を追いかけます。現代の土地利用の現状や課題を学び、これからの自然や大地との関わり方について考えます。

※講座の最後にグループディスカッション(感想のシェア)があります。

日時2023年12月17日(日)14:00~16:15(受付は13:45~)
会場港区立エコプラザ
対象港区在住・在勤・在学を中心とした中学生以上の方
(区外の方も参加できます)
定員30名(先着)好評につき、定員を増やしました。
参加費無料
持ち物筆記用具

【当日の様子】
映画では、土の中の空気や水の循環と地表の植物の関係について説明がありました。自然界では、風で草木が揺れることで適切な箇所で折れ、新芽の再生と同時に、細かい根を新しく生やし広げていきます。このことにより、土の中に空気と水の通り道ができ、虫や微生物が活発に活動し、豊かな土壌が育ちます。しかし、草刈りなどで根本から草を刈ってしまうと、植物は太い根となり、生える根の数も少ないため、土の中に十分な通り道ができず、空気と水の循環が滞るとのことです。風の通りをイメージし、風で揺れる箇所を刈っていくように草刈りをすることで、空気と水の循環を作ることができると説明がありました。
また、開発等でコンクリートやアスファルトで大地を覆ってしまうと、土の中の水や空気の循環が滞るため無酸素状態になり、有毒ガスを溜め込んだ「グライ土壌」という状態になります。「グライ土壌」は、植物が育ちにくく、また、土砂災害や地盤沈下などのリスクも上がってしまう特徴があります。対策としては、適当な箇所に穴をあけ、グライ土壌の中に水と空気の通り道を作ることで、土中環境が回復し、植物の育ちも促され、自然災害にも強い土壌が作られるとのことです。自然や大地も、人間の身体と同じように、血管が巡り、呼吸をしていると考えながら関わることが大切であると説明がありました。
鑑賞後は参加者同士でグループディスカッションを行い、感じたことや考えたことを共有しました。
映画の鑑賞を通して、現代の土地利用の課題を学び、これからの自然や大地との関わり方について考える機会となりました。


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