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【終了しました】伝統芸能と自然の関わりvol.7~歌舞伎脚本家が考える「自然」とは?~

2025年11月8日(土)実施
伝統芸能と自然の深いつながりを紐解き、それらを守り引き継ぐために何が大切かを考えるシリーズの7回目です。今回は歌舞伎を始め多くの舞台脚本を手掛ける戸部和久氏をメイン講師に迎え、そもそも「芸能」とは何かについてお話しいただきます。また、人によって様々な捉え方がある「自然」についての考えをうかがいます。
脚本がどのように作られ、その後どのように舞台装置、衣裳、音楽などの演出を決めて本番に向かっていくのか、なかなか知ることのできない舞台の裏側についても、これから幕を開ける公演演目を例に解説があります。
私たちが「自然」をどのように捉え、伝統芸能を受け継いできたのかを考えます。

日時
2025年11月8日(土)14:00~15:30(受付は13:45~) 
会場港区立エコプラザ
対象港区在住・在勤・在学の方を中心とした小学4年生以上の方(小学生は保護者同伴)
※区外の方も参加できます
講師戸部 和久氏(歌舞伎脚本家/演出家)

【プロフィール】
1984年東京生まれ。松竹株式会社に所属。ラスベガスでの『鯉つかみ』。歌舞伎座での『東海道中膝栗毛』。スケート歌舞伎「氷艶 『破沙羅』」、新作歌舞伎『風の谷のナウシカ』。史上初のオンライン歌舞伎『図夢歌舞伎 忠臣蔵』の企画脚本を担当。一昨年の『流白浪燦星』は記憶に新しい。

田村 民子氏(伝統芸能の道具ラボ主宰/ライター)

【プロフィール】
1969年、広島市生まれ。「伝統芸能の道具ラボ」主宰。「芸能道具ミライ研究室」共同代表。
伝統芸能の道具に関連した執筆、調査、復元、講演などを行う。2009年より能楽、歌舞伎などの「伝統芸能の道具」に携わる裏方や職人を支援する草の根活動「伝統芸能の道具ラボ」をはじめる。東京新聞に「お道具箱 万華鏡」を連載中。
定員30名(先着)
参加費無料

【当日の様子】
最初に、田村氏からvol.1からvol.6までを振り返りながら、伝統芸能の道具や衣裳、演目と自然の関わりについて解説がありました。今回取り上げる歌舞伎においても、傘や蓑、馬の骨組みなどに多くの自然素材が使用されています。
戸部氏からはまず、日本の伝統芸能は元々自然への感謝や鎮魂のための神への祈りであるが、ヨーロッパは民衆に向けて行うものであるという違いについて話がありました。また、「自然」の定義について、例えばプラスチックの原料である石油も元々は自然素材であり、人間の手が入っているものが自然素材でないとすれば、人工林などもむしろ「自然」とは言えないのではないか、との考えが示されました。歌舞伎の舞台演出においては化学品がNGというわけではなく、産業的に持続して使用できる一番良い素材を選択しているとのことです。その中でも本物で作られた茅葺き屋根やかつらなどが使用されていると説明がありました。
最後に台本作成から歌舞伎の舞台の幕が上がるまでの話がありました。舞台装置はある程度の定型があるため、台本上のシンプルな説明書きのみで、舞台装置を絵で表した「道具帳」が出来上がるそうです。その他にも衣裳、道具、様々な担当が連携し、役者が考案した化粧を自らの手で施すことで役が完成され、本番を迎えるとのことです。
参加者からは、「世の中で石油製品=人工物と思われているが私たちが生活する上で目に入れるものはすべて自然からできているという見方がおもしろかったです」「小道具・大道具の素材がなくなること、入手がむずかしくなることなど知れたことが良かったです」「めったに聴けない脚本づくり、しかも歌舞伎の脚本づくりのことを聴くことができ参加してとてもよかった」などの感想がありました。
日本の伝統芸能の根底にある自然観や、「自然」の定義について考える機会になりました。


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