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【終了しました】服の素材を考える~コットン収穫と綿繰り(わたくり)体験~

2023年10月21日(土)実施

服の素材となるコットンの栽培には、世界でもっとも農薬が使われていると言われており、生産地の土壌や地下水の汚染が問題となっています。また農薬による働く人々の健康被害やそれに伴う労働力不足が、児童労働や貧困の連鎖の原因にもなっています。そのような問題を学んだ後、無農薬コットンを収穫し、綿繰り(わたくり)を体験します。日本におけるコットン栽培の動きについてもお伝えします。私たちが食だけではなく、身に着ける物も自然から恵みを得ていることを感じてみましょう。服の生産の背景にある問題を考え、これからの消費を見つめ直します。

日時
2023年10月21日(土)14:00~16:00(受付は13:45~)
会場戸板女子短期大学(現地集合・解散)
※詳細は参加案内にてお知らせします。
対象港区在住・在勤・在学を中心とした中学生以上の方(区外の方も参加できます)
講師植月 友美氏(Enter the E CEO)


【プロフィール】
GEORGE BROWN COLLEGE(ジョージブラウンカレッジ)FASHION MANAGEMENT卒。
18歳からファッション業界に入り古着のバイヤーなど経験。グローバルビジネスを学ぶため渡加、渡米。COLLEGE卒業後 NYで就労を経験、帰国後12年間日本の大手小売企業で店舗運営、バイイング、商品企画、事業開発、マーケティングなど担当。
2009年、杜撰なファッション業界の環境破壊を目の当たりにし、人や地球に迷惑をかけずに洋服を楽しめる社会をつくること決意。人生をかけて、「地球と人が服を楽しめる社会の両立」実現を挑む。
2019年ジャパンソーシャルビジネスサミット 審査員特別賞受賞。
2019年ビジネスで社会問題を解決する集団、株式会社ボーダーレスジャパンにジョイン。
定員12名(先着)
参加費無料
持ち物・服装コットン畑に入る用の、長靴または汚れてもよい靴、長袖、(必要な方は)帽子、軍手、タオル ※スカート、サンダルは不可。

【当日の様子】
ファッション業界における環境・社会問題や課題は、原料の生産時、裁縫時、消費後それぞれにありますが、生産時の問題に焦点をあてて話がありました。コットン栽培には全世界で使われる農業用殺虫剤の約16%が使用されています。その影響により、生態系が多様で水を蓄えた健康な土壌を減少させることや、川、湖、海の汚染につながるだけでなく、生産者の健康被害が起きていると説明がありました。
コットン栽培の歴史やコットンの品種についても学びました。栽培の歴史は古く、紀元前数千年前から世界各地の遺跡で発見されており、その後約5,000年間オーガニック栽培されていました。ですが、その後栽培量や方法が変化し、環境・社会問題が起こるようになりました。1793年、綿(わた)と種を分離する自動の綿繰り機が発明されたことにより、手作業に比べ約50倍の早さで処理ができるようになり、プランテーション栽培が盛んになると同時に黒人奴隷労働の問題が発生しました。また、第二次世界大戦時の飛行機製造技術の向上に伴い、更に効率よく大量の栽培を行うために、戦後は広大な栽培地に飛行機で農薬を散布するようになりました。そして、現在ではオーガニック栽培されているのはわずか1%程とのことです。ですが、オーガニックコットンの他にも、オーガニックとは限りませんが、人権に配慮したフェアトレードコットンや、無農薬有機農法でコットン栽培を始めてから3年後(※)に認証を受けるまでに育てられたプレオーガニックコットンなど、様々なコットンや取組があることを学びました。
レクチャーの後は、コットン収穫と綿繰り(わたくり)で、コットンの感触を知り、実と種の構造を観察しました。
コットン栽培の問題や歴史を学び、今後どのような服を選択していくか考える機会になりました。

※オーガニックコットンは3年以上農薬や化学肥料を使わないで栽培された農地で育てられた綿花のことであり、また、生産者の安全や環境を守って製造された綿のことです。


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