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【終了しました】エコツーリズムのはじめ方

2025年3月16日(日)実施
エコツーリズムをご存じですか?実は近年、有名な観光地に人が集中してしまい、ゴミや騒音の問題、地域固有の動植物への影響など持続可能とはいえない問題が起きています。
そうした状況の中、観光しながら環境保全し、地域も振興できるエコツーリズムが注目されています。
例えば、2021年に世界自然遺産に登録された西表島では、イリオモテヤマネコに代表される亜熱帯の豊かな自然を求め来島する人が増加しています。そのため地域住民の生活にも不可欠な定期船や水道といったインフラへの影響、トレッキングやカヤックなど自然体験の増加によりフィールドとなる環境への負荷も問題となりました。そこで、立入制限フィールドを設けることで過剰利用を防ぎ、ガイド事業者へは講習を行い「観光案内人」免許取得を義務付けることで、専門性や安全性が向上し、動植物を守りながらも旅行者がより地域の魅力に触れられるようになっています。
福島県の五色沼ではトレッキングをしながらルートの点検・確認や植生などをモニタリング調査する体験プログラムや、外来種のザリガニを釣って食べることで環境保全につなげる親子向けのプログラムもあります。
エコツーリズムの成立ちや各地のサステナブルな観光の取組について知り、ただ地域を訪れるだけではなく、未来につなげる、そんな豊かなに旅のあり方について触れてみませんか?
日時 | 2025年3月16日(日)10:30~12:00(受付は10:15~) |
会場 | 港区立エコプラザ |
対象 | 港区在住・在勤・在学を中心とした中学生以上の方(区外の方も参加できます) |
講師 | 海津 ゆりえ氏(文教大学 国際学部 国際観光学科 教授) |
定員 | 30名(先着) |
参加費 | 無料 |
【当日の様子】
まず最初にエコツーリズムの成り立ちについて説明がありました。20世紀に入り観光が大衆化する中で、自然環境や地域社会への影響など様々な課題があり、観光による地域の振興と自然や文化の保全継承をバランスよく実現するために提唱されました。
エクアドルのガラパゴス諸島では、入島前に厳重な検疫を行い自然環境の保全をしつつも、国家資格を持ったガイドの育成と雇用をすることで地域経済の循環も重要視しています。
また岩手県二戸市では、寒冷地で稲の栽培に適さないため雑穀を栽培してきましたが、飢饉に備えた代用食物である救荒食とされていた歴史からマイナスのイメージがあり、観光資源にはなりえないと考えられていました。しかし、地域外からアドバイザーなどが関わることで、風土が生んだ食文化として注目され、ツアーの食事に雑穀食を組み込むなど旅行者から好評だそうです。
参加者からは「エコツーリズムの意味、そして様々な場所での観光と保護のバランスのよいやりかたについて勉強になった。」「エコツーリズムにもっと多くの人が興味を持ってほしい。とても状況が良くわかり、勉強となった。」などの感想がありました。
地域住民、行政、旅行者など様々な関係者の関与によって、自然環境や文化を尊重し、守り続けていくことにつながると学びました。

