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【終了しました】今、土とつながって生きるために~持続可能な暮らしのために私たちができること~
2023年10月30日(月)実施
古来より人間は土と共に生きてきました。現代は都市化が進み、私たちの生活から土の存在は薄れかけています。しかし、土の劣化による不作や農作物の栄養価不足、土地の荒廃による自然災害の増加、心の問題にも影響しているという研究結果もあり、改めて土の生態系を活かした栽培方法や、土と共に生きる価値が見直されています。この講座では、群馬県南牧村で自然栽培で農家を営む五十嵐さんと、地元素材を中心としたカフェを営むパティシエの加藤さんを講師にお迎えし、土の大切さや土とつながる暮らし方について解説します。講師が取組んでいるコミュニティコンポスト活動についても紹介します。後半は、都会に住む人たちが土とつながって生きていくことをテーマにしたトークセッションも実施します。様々な視点を通じて、今、土とつながって生きることの意義や暮らしについて考えます。
日時 | 2023年10月30日(月)18:00~20:00(受付は17:45~) |
会場 | オンライン(Zoom) |
対象 | 港区在住・在勤・在学を中心とした中学生以上の方(区外の方も参加できます) |
講師 | 五十嵐 亮氏(自然農園まほらま 代表) 【プロフィール】 1980年生まれ横浜市出身。土木や造園の仕事を経験したのち、輸入雑貨の会社で流通を学ぶ。海外に触れて、より日本への関心が強まるのと同時に農業に意識が向き始める。日頃から自然環境に問題意識を持っていた自身は自然農法に感銘を受け、2009年から4年間自転車で日本一周の旅をしながら各地の農家さんに住み込みで働き、農業を勉強。2013年南牧村に出会い、この村で野菜を作ることを決意し移住。これまでに出会った多くの方と、地域の方々に支えられながら、旨みの詰まった野菜づくりに日々邁進中。 加藤 有希氏(なんもく村のちょっとしたcafe 代表) 【プロフィール】 エコールキュリネール国立辻製菓専門カレッジ卒業後、西洋菓子店勤務を経て、高校時代の友人と共に2008年4月「ちょっとしたcafe PATISSIEReco房」を地元練馬区上石神井にオープン。カフェ経営の他、練馬の農の魅力を伝えるまちづくり活動「ネリマ・ベジタブル・カフェ」を開始。2009年3月、田舎で働き隊事業に参加し、日本一高齢化率一位の群馬県南牧村と出会う。2015年拠点を南牧村に移し、自然農園まほらまの協力の元、古民家カフェ「なんもく村のちょっとしたcafe」をオープン。練馬時代と変わらず、地域の素材でつくるごはん、厳選素材でお作りするお菓子、人と人が繋がる場づくりを行っている。結婚出産を経て、群馬でもまちづくり活動「ぐんまコンポスタブル、、カフェ」を開始。2023年度は企業と連携し、高崎市、富岡市などの都市部にも活動を広げている。 |
定員 | 30名(先着) |
参加費 | 無料 |
【当日の様子】
まず最初に、五十嵐氏より、自然栽培と土の関係について説明がありました。講師の農園では「無堆肥・無化学肥料・無農薬」で野菜を育てています。人間が畑に肥料等で栄養を与えなくても野菜が育つのは、そもそも自然は人の手を借りずに木や植物が育つメカニズムがあるからとのことです。例えば、植物の成長に重要な栄養素に「窒素」があります。一般的な農法では肥料により窒素を与え野菜の成長を促しますが、自然界では、糸状菌(カビやキノコなど)や根粒菌が空気中の窒素を土中に取り込むため、肥料などなく植物が成長できています。土や自然の特徴や仕組みを学び、直接関わって試しながら、体験を通じて知っていくこと、そしてそれを楽しむことが大切であると説明がありました。
次に、加藤氏より、コミュニティコンポストの取組について解説がありました。協力してくれている家庭や店舗でコンポストバケツに生ごみとボカシ(米ぬかに糖蜜や微生物を加え、醗酵乾燥させたもの)を混ぜ一次発酵したものを回収し、畑で土と混ぜ堆肥を作っています。できた堆肥で野菜を作り、協力してくれている方たちに野菜の配布も行っています。生ごみをごみとして捨てるのではなく、堆肥にして土に返すことで、土とつながっている意識を持続することができるとのことです。
最後に、「都会で土とつながっていくには?」をテーマにトークセッションを行いました。土は、場所ごとで様々な特徴があり、庭の土や公園の土、花壇の土など、身近にある土がどんな特徴のある土なのか、関心を持ち、よく観察して知っていくことが土とつながることに通じるという話がありました。
講座を通じて、土や自然のメカニズムを知り、土とつながっていく方法を考える機会となりました。