【終了しました】歩けば草が咲いている~川端もくは展~

2026年1月14日(水)~1月28日(水)

建物がひしめき合う東京の街を歩いていても私たちは必ず植物を目にします。
アスファルトの割れた道端に、一時的に更地となった空き地に、あっという間に雑草と呼ばれる植物は根付いて繁茂します。
ひとりでに佇んでいるそうした植物たちがつくる風景を、通り過ぎずにじっと見つめてみると、見捨てられた空間に渦のような大きな宇宙が見えてきます。
放棄された土地で植物たちが演じる束の間の舞台を和紙の上に留めるように、岩絵具や泥絵具、墨、植物染料など日本画の画材を用いて描かれた川端もくは氏の屏風絵を展示します。
そうした見過ごされる植物に加えて、都市生活の中で庭先や花壇、部屋を彩るために育て愛でられる植物たちをモチーフとして描かれた作品やスケッチ、またエコプラザでもお馴染みの伝統手すき和紙作家ロギール・アウテンボーガルト氏がすいた和紙を基底材にして描かれた小作品など、色と形の絵画空間をぜひ会場にてお楽しみください。

期間中1月24日(土)11:00~12:00は川端氏とロギール・アウテンボーガルト氏によるギャラリートーク(先着20名・参加費無料)を開催します。

【作家プロフィール】
静岡県出身
2024年 多摩美術大学大学院美術研究科絵画専攻日本画研究領域修了
主な展示・受賞歴
2023年 二人展(田中千里・川端もくは)「GRASS GREEN LACE」(巷房/東京)
2024年 個展「噴き現れる草花の調子」(フリュウギャラリー/東京)
2024年 KAMIYAMA ART 10th Exhibition 大賞受賞(AXIS GALLERY/東京)
2024年 「機能性ポリビニールアルコールによる膠への応用研究」展(アートスペース羅針盤/東京)
2025年 第12回郷さくら美術館桜花賞展(郷さくら美術館/東京)
2025年 第三十二回大学日本画展「日は、うららかに」(UNPEL GALLERY/東京)
2025年 第6回絵画の筑波賞展 奨励賞受賞 (つくば市豊里ゆかりの森工芸館/茨城)(アーロンギャラリー/東京)
Instagram:@mokuha_k

【展示の様子】
多摩川の河原を散歩した時の風景を巻物仕様の紙に描いたもの、屏風仕様の紙に植物を大胆に描いたもの、ロギール氏がすいた和紙に描かれた小作品、部屋の中で描かれたスケッチなど、サイズや質感が様々な作品が展示されました。作家が東京のあちこちを歩きながら見つけた風景には、都会の中でも力強く生きる植物のエネルギーがあふれていました。
鑑賞者からは、「使用されている画材のためか、森に来たような気分です」「草花が生き生きと育つ環境は大切にされるべきなんだと改めて思いました」などの感想がありました。
身近にある自然の美しさや大切さを改めて感じる機会になりました。

【ギャラリートークの様子】
川端氏からそれぞれの作品について説明がありました。屏風仕様の作品は、絵を描くことで空間を閉じてしまうことなく、広がりを大事にして描いたとのことです。ロギール氏がすいた和紙は岩肌に描くような初めての感覚で、物質としての紙の存在を強く感じながら描いたそうです。また、岩絵具や木炭など、それぞれの画材による色のつき方の違いについても解説がありました。
ロギール氏からは、今回提供した和紙には土や砂利などもすきこんでいることや、和紙作りは原料となるコウゾの栽培から始まり、水や土など周りの自然を感じながら行っているという話がありました。出身であるオランダのコットンペーパーは古布をリサイクルして作られるため、原料から携わっている和紙作りとは異なるとのことです。
参加者からは「紙のできるまでの自然との関わり自体が表現となっていると感じました」「日本の環境ならではのアートという観点の講座を今後も開催して頂ければと思います」などの感想がありました。
二人の作家のコラボレーションにより、植物を原料としている和紙そのものを作品としつつ、その上にさらに植物が描かれるという、特別な世界観の話を聞く機会になりました。


展示の様子と川端氏、ロギール氏のお話が「NHK WORLD JAPAN」にて紹介されました。
https://www3.nhk.or.jp/nhkworld/en/shows/2084076/



ピックアップ記事