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【終了しました】木からつくられるお酒の話

2026年1月17日(土)実施

日本では古くから、家や道具、紙などの原材料として木を使用してきました。しかし次第にプラスチック製品の普及や外国の安価な木材輸入の増加により、国産材の使用量は大幅に減少しました。その結果手入れされず放置された森林では、様々な問題が起きています。そのような状況の中、世界初の、木そのものを発酵させてお酒をつくる技術が開発されました。その製造過程や試作中のエピソード、最新情報について解説します。また、希望の方にはまだ販売されていない、それぞれに違う風味を感じられる、スギ、白樺、ミズナラ、クロモジの4種類の「木のお酒」の試飲があります。
国産材利用の新しい可能性について学び、森林循環の重要性について考えます。お酒としての森林活用がもたらす、樹の新たな魅力を感じましょう。

※試飲ご希望の方は、試飲アンケート調査へのご協力をお願いいたします。尚、試飲は20歳以上の飲酒経験のある方を対象とします。妊娠中や授乳中の方はご遠慮ください。

日時2026年1月17日(土)16:00~18:00(受付は15:45~)
会場港区立エコプラザ
対象港区在住・在勤・在学を中心とした20歳以上の方(区外の方も参加できます)
講師大塚 祐一郎氏(森林総合研究所 森林資源化学研究領域 主任研究員)
定員20名(先着)
参加費無料
持ち物筆記用具、年齢が確認できる本人確認書類(運転免許証、マイナンバーカード等)

【当日の様子】
最初に、木材の用途として主に建築や紙があるが、ペーパーレス化や安価な外国材によって国産材の利用が減少し、日本の森林蓄積量は微量ながら増加していることや、利用されない木は森林で枯れ、飽和状態になることを学びました。国産材の高付加価値を見出し、利用量を増やすことが重要とのことです。
次に、その高付加価値をつけることができると考えられている木のお酒について、製造方法の説明がありました。これまでバイオエタノールを作る技術はあったものの、製造過程で毒劇物を使用するため飲用としては使用できませんでしたが、講師が開発した水中で木材を微粉砕する方法により、お酒をつくることが可能になりました。また、木の香りのみを抽出した「ジン」などのお酒とは異なり、木そのものがお酒になっています。そのため、その木が育つ過程で固定してきた樹齢分の炭素がそのままアルコールとなり、それを飲むことで木の歴史が体の一部になり木と同化するといった魅力が生まれます。また、使用されずに樹齢が高くなった木は太くて加工機に入らず使用用途がないため、新しい活用方法の一つとなります。その他にも、各地域の木・湧水をのみを使用し、地産地消の産地ごとの特徴的な製品を生み出すことができると説明がありました。発酵時に発生する発酵かす(酒かす)についても、廃棄しない利用方法を模索中とのことで、構造が似ていることから、プラスチック代替品としての可能性や、粒子の細かさと舌触りのなめらかさから、今後収量の減少が懸念されているカカオの代用品としての可能性が示されました。
試飲では、コナラ・スギ・クロモジのお酒の香りと味を確かめ、それぞれ香りも風味も異なることを体感しました。お勧めの飲み方についても紹介がありました。
高付加価値のある国産材活用の取組と日本の森林問題について学ぶ機会になりました。

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