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【終了しました】伝統芸能と自然の関わりvol.2~道具としての‘竹’について考える~

2020年10月18日(日)実施

能や狂言、歌舞伎といった日本の伝統芸能の舞台道具には植物や動物を材料にした物が多くあり、伝統芸能と自然は深くつながっています。この講座では、歌舞伎の傘や能の扇などに使われている竹について取り上げます。良質な竹が年々入手しづらくなっている背景にある、竹林の放置の現状と原因を、二人の講師の異なる視点から解説します。
また、昨年実施の『伝統芸能と自然の関わり~絶滅危惧種「イヌワシ」を例に~』で紹介した、「羽団扇」に使用するイヌワシの羽の譲渡活動最新情報についてお伝えします。
日本自然保護協会が進める調査を元に、森林や里山の荒廃や動植物の持続的な利用にも触れ、私たちの暮らしや文化・動物・環境のこれからの関係ついて考えます。

10月1日(木)~18日(日)の期間、関連の展示を行います。

※『伝統芸能と自然の関わり~絶滅危惧種「イヌワシ」を例に~』の内容はこちら

日時
2020年10月18日(日)14:00~15:30(受付は13:45~)    
会場港区立エコプラザ
対象港区在住・在勤・在学の方を中心にどなたでも
講師田村 民子氏(伝統芸能の道具ラボ主宰/ライター)

【プロフィール】
1969年広島市生まれ。伝統芸能の道具に関連した執筆、調査、復元、研究を行う。研究テーマは、日本近現代の芸能道具実態史。2009年より能楽、歌舞伎などの「伝統芸能の道具」に携わる裏方や職人を支援する草の根活動「伝統芸能の道具ラボ」をはじめる。東京新聞に「お道具箱 万華鏡」を連載中(毎月第四金曜)。

鶴田 由美子氏( 公益財団法人日本自然保護協会 事務局長)

【プロフィール】
東京都生まれ。1988年お茶の水女子大学理学部生物学科卒業。
出版社勤務、自然系のテレビ番組制作のディレクター・プロデューサーを経て、2000年に日本自然保護協会に入協。会報『自然保護』やウェブサイトの編集長を務め、2013年より現職。国連生物多様性の10年日本委員会、東京都生物多様性地域戦略改定検討会委員。
定員20名(先着)
参加費無料
協力藤浪小道具株式会社

【当日の様子】
始めに、画像を交えて竹を使った歌舞伎や能の道具の紹介がありました。歌舞伎の傘を作るのには良質な竹と技術が必要ですが、近年竹林の放置が一因で良質な竹が入手しづらい状況にあります。その背景には、日用品がプラスチックに替わり竹の消費が減ったことや、タケノコを輸入に頼るようになったことが挙げられます。成長の早い竹は森に浸食し、他の木が光を奪われ枯れることにより、竹やぶを増やしています。その結果、保水力やCO₂吸収力の高い森が減少し、土砂崩れの危険が高まることを学びました。
また、異なる分野の団体が協力して行っている伝統芸能の道具の修復や継承活動について、能の道具「羽団扇」に使用するイヌワシの羽の譲渡を例に紹介がありました。 
この講座を通して、伝統芸能の道具を守り継承するには、土台となる健全な自然環境を守ることが重要だと学びました。


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