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【終了しました】生活の中のバイオミメティクス~生きものの形や能力を真似る~
2022年10月26日(日)実施
バイオミメティクスという言葉を知っていますか?日本語では「生物模倣」という意味で、生きものの形や能力をヒントに新たな技術を開発したり、ものづくりに活かす科学技術のことです。例えば、500系新幹線の先頭車両の流線形のデザインは、カワセミのくちばしの形状を模しています。このように、私たちの身の回りには生きものからヒントを得たものや技術がたくさんあります。また、自然から学ぶバイオミメティクスは、持続可能な社会を実現するための手段としても期待されています。
この講座では、バイオミメティクスと、それを利用した技術を学びます。また、バイオミメティクスの考え方を発展させた、人間と自然の共存を目指す「エコミメティクス」の考え方についても解説します。生きものの形や能力と、それを活かした科学技術について学び、自然と共生する大切さについて考えましょう。
日時 | 2022年10月26日(水)18:30~20:00(受付は18:15~) |
会場 | 港区立エコプラザ |
対象 | 港区在住・在勤・在学を中心とした小学4年生以上の方(小学生は保護者同伴) |
講師 | 平坂 雅男氏(NPO法人バイオミメティクス推進協議会 事務局長) 【プロフィール】 化学系企業において研究開発および研究企画等に従事した後に、2014年から2021年まで高分子学会常務理事を務め、現在、NPOバイオミメティクス推進協議会事務局長。2012年よりバイオミメティクスの国際標準化作業に従事している。専門は、電子顕微鏡、バイオミメティクス、技術経営。バイオミメティクス関連では『ドラえもん科学ワールド;未来をつくる生き物と技術』(小学館)(監修)、『トコトンやさしいバイオミメティクスの本』(日刊工業新聞社)(分担執筆)ほか。1955年東京生まれ、東京都在住。 |
定員 | 30名(先着) |
参加費 | 無料 |
持ち物 | 筆記用具 |
【当日の様子】
まず最初に、バイオミメティクスという言葉の意味や、その歴史について説明がありました。次に、エネルギー、医療、建築など、様々な分野で活用されるバイオミメティクス技術の紹介がありました。例として、ザトウクジラの胸びれのコブを応用した、風力発電の羽が挙げられました。ザトウクジラの胸びれのコブは水の抵抗を抑えるのに役立っており、これを風力発電の羽に応用することで、空気の流れを制御した効率的な風力発電を行うことができます。最後に、エコミメティクスの考え方について説明がありました。バイオミメティクスは生きものから形や能力を真似て人間社会に持ち込んでいるため、人間を中心とした考え方であるとも言えます。一方で、エコミメティクスは、様々な生きものの優れた点だけを人間社会に持ち込む関係ではなく、生きものと人間の共生を目指し、個々の生きものではなく生態系自体から学ぶ考え方です。共生のためには、生きものの視点から社会を考える必要があると説明がありました。
講座を通じて、生きものの様々な特徴や能力とそれを活かした技術について学び、生きものと人間が共生する社会について考えました。