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【終了しました】【全6回】木工基礎講座~日本の森と環境から学ぶ”木”を活かした暮らし~
2023年5月~10月実施
日本の森の現状を知り、そこにある木々が国産材として利用される過程について学び、木工の基礎から作品制作まで体験します。国産材を使うことが森を育むことにつながり、豊かな森は人の暮らしを支えます。木工作業を通して、国産材を取り入れる生活スタイルを意識し、身近に森がない都会と森を結ぶ環境デザインについて考える機会となります。習得した木工の技術は国産材を利用する日曜大工に活かせます。講座の修了者は※エコプラザ・コミュニティー・メンバー(ECM)に登録できます。登録者は、 エコプラザのサポーターとして企画や講座などの運営ボランティアに携わることができます。また、森と木の学びを深めるためのボランティアグループとして、エコプラザを木工の自習活動など、環境活動の学びの目的として利用できます。
尚、4月20日(木)に実施する説明会を受けた方が優先的に参加できます。
※エコプラザ・コミュニティ・メンバー(ECM)とは …エコプラザの指定講座を修了した方を中心に、学んだ知識を活かし積極的に社会に貢献していただくための会員制の環境ボランティアグループです。
日時 | 各回18:00~20:00(受付は17:45~) 第1回 5月18日(木)(レクチャー) 「木と暮らし~木を知り木に触れる~」/(ワークショップ)おが粉枕制作 第2回 6月15日(木)(レクチャー) 「森から学び考える環境問題」/(ワークショップ)枝キーホルダー制作 第3回 7月20日(木)(レクチャー) 「里山から学び考える環境問題」/(ワークショップ)家具リメイク 第4回 8月3日(木)(レクチャー) 「森をつくるデザイン」/(ワークショップ)作品制作構想、作図 第5回 9月7日(木) 作品制作① 第6回 10月5日(木) 作品制作② |
会場 | 港区立エコプラザ |
対象 | 港区在住・在勤・在学を中心とした中学生以上の方 (区外の方も参加できます) |
講師 | 湊 泰樹氏(建築家/オーガニックキッチン代表) |
定員 | 10名(抽選) |
参加費 | 5,000円(全6回分) |
持ち物 | 筆記用具、エプロン(なくてもかまいません) |
服装 | 動きやすい服装 |
【当日の様子】
第1回 2023年5月18日(木)実施
レクチャーでは「日本の森を知り考える」をテーマに説明がありました。日本の森の約3割は、国有林などの天然林であり、約7割は人の手が入った人工林です。人工林は林業として管理する針葉樹の森と農業利用する広葉樹の森の里山林や雑木林に分かれます。針葉樹の森は建材に使うスギ、ヒノキが植えられ、里山林や雑木林は炭焼きなどに使うナラ、クヌギなどの広葉樹が多いです。一度人の手が入った森は人が管理を継続する必要があります。現在、戦後に植えられたスギ、ヒノキが70年を超えて建材として使える時期にきています。70年を超え太く育った木の伐採をして、また苗木を植えることで森は活性化します。二酸化炭素の吸収率も木が若い成長期が高く、70年を超えると吸収率が落ちてくると言われています。建材として使うことで吸収した二酸化炭素を長期間固定しておくことができます。
実習では木工道具の説明を受け、ノコギリを使いスギの板から手のひらサイズの木片を切り出し、コースター作りをしました。道具の使い方を学び、国産材の匂いと感触を体験しました。
【当日の様子】
第2回 2023年6月15日(木)実施
国産材は戦後の1955年頃まで100%の自給率でした。その後の経済発展で建材の需要が伸び、価格の安い外国産材の輸入が増えました。1990年代には輸入木材の量はピークになり、2000年を過ぎると国産材の自給率は20%を割り込みました。増える輸入木材は違法伐採の木材が含まれるなどの問題も発生しました。現在は戦後植林されたスギ、ヒノキが建材として使える70年を超え、国産材利用が見直されています。2020年以降、自給率は40%を超えるようになりました。
実習では国産材を建材等に加工するときにでるおが粉、かんなくずを詰めたオーガニックコトンの枕作りをしました。おが粉、かんなくずでもスギ、ヒノキの香りがして、天然素材として有効利用できることを学びました。
【当日の様子】
第3回 2023年7月20日(木)実施
里山から学び考える環境をテーマにレクチャーがありました。里山は多面的な機能を持って日本人の生活環境に深く関わってきました。山の資源の活用や野生動物との共存に有効である場所として知られています。さらに里山の地表は樹木の根により、雨による表土の流失は抑えられ、洪水や土石流等の大雨による自然災害防止の機能を持っています。地表は雨水が浸透しやすく、自然ろ過に優れ地下水となります。
実習はエコプラザの机の天板を使って、家具の補修を体験しました。天板の汚れと細かい傷をサンドペーパーを使って削りました。サンドペーパーは目の粗いものを最初に使い、最後は目の細かいもので表面をきれいにしました。仕上げは自然由来のワックスを塗り、天板に浸透させました。24時間たって乾いたら完成です。木製品を大切にして、長く使うための補修の基礎を学びました。
【当日の様子】
第4回 2023年8月3日(木)実施
自主制作に向けて説明がありました。使うのは東京都のスギ(多摩産材)です。木は製材することで、建築、家具、木工、箸、オガコ等の用途別の材料となります。
オリジナル作品の制作に使う杉板は2,000㎜×300㎜×5㎜(厚さ)のサイズを1枚です。制作課題は「それぞれのライフスタイルに合わせて活かす”木”(リビングのテーブルの上で使える)」です。
スギの特徴や性質も考えながら、作品のイメージを図面にする作業を行いました。制作したい作品の完成イメージを紙に描き出し、大きさを考え図面作成に取組みました。図面のサイズ表示はmmで記入するなど、作図の基本を学びました。紙に描いて試行錯誤することで、次の作業の時に材料や制作時間を無駄にしないための大切なプロセスの体験をしました。
【当日の様子】
第5回 2023年9月7日(木)実施
作品制作の作業の流れについて説明がありました。図面を描き終えていない人は、講師のアドバイスを受けて図面の完成を目指し、図面が完成している人は、材料の板を選んで、カットするための線引き作業を始めました。板の色や年輪、節を見て、作品に使う部分を選ぶこと、線の引き方などの切り出し作業をするための手順と方法など、作業を進めるためのポイントが、多くあることを知りました。ノコギリで切り出し作業をしてみると、杉板は柔らかくおが粉からは良い匂いがしました。経験がないとノコギリを上手く使い、きれいにカットするのが難しいことも体験しました。国産杉材の特徴や扱い方と木工作業の基本を学ぶことができました。
【当日の様子】
第6回 2023年10月5日(木)実施
国産材を使う作品制作について、同じ規格の材料の板でも、木目や色などの表情が違うため、材料の特徴を活かすことが、よい作品をつくるために大切だと説明がありました。作業が進んでいる人は、紙テープを使って仮組みをすることで、組み立てる時に調整をしなければいけない箇所や、考え直すところが見えてきました。作品完成のイメージをしっかりと持ち、段取り通りに作業を進めることで、木材の性質を理解し、技術が身に付く体験をしました。日本の森と国産材のレクチャーを受け、実際に木に触れ作品作りをすることで、森の環境と国産材利用について深く考える機会となりました。